褒められた記憶

僕は叱られた記憶があまりありません。

もう少し細かく言うと、「叱られた」という事実は覚えていても、何について注意を受けたのかまで詳しく覚えていません。

しかし褒められた記憶は違います。

何を褒められたのかはもちろん、どんな口調で言われたか、どこで言われたか、鮮明に覚えています。

社会人3年目の終わり、上司から「大川はやればなんでも器用にこなせるからな」と言われたこと。

大学2年生の練習終わり、親友から「お前の体操が1番好きだ」と言われたこと。

高校3年生の夏、下宿先の先生から「あんた本当に根性ついたよ。」と言われたこと。

もっと昔、5歳のころ、母親から「お前はやっぱりお兄ちゃんだ」と言われたこと。

30歳になって指導者という立場になった今、こう思います。

きっとたくさん叱られた過去も、たくさん褒められた過去も、僕を成長させてくれました。

でも僕を自立させたのは、僕のいいところを見つけ、伝えてくれた人たちの言葉だったのではないかと。

いつか来る我が子の旅立ち日に「お前なら大丈夫だ」と送り出すためにも、息子をたくさん褒めてあげようと思います。